株式と債券の会計での取り扱い

一言に有価証券と言っても様々であるため、同じ有価証券であるからと言って会計での取り扱いを画一的なものにするわけにはいきません。
例えば、売買目的で購入した株式と、社債のように売買することを目的とするのではなく満期まで持ち続けることを目的とする債券とでは同じ取り扱いにするわけにはいきません。


そこで以下では、株式と債券の特徴を対比しつつ、株式と債券の会計での取り扱いについて見ていきたいと思います。

まず、株式の会計での取り扱いについて見ていきます。



通常、購入した資産は購入額で計上され続けるのですが、売買目的で購入された株式については、決算において時価で評価し直されます。

その方が会計情報の利用者である投資家などの利害関係者に有用な情報を提供できると考えられているためです。時価で評価し直されれば、売却をしていなくてもそこから評価益又は評価損が発生することになります。



売却していないのに損益が発生するというのは少し妙な気もします。しかし、株式には証券取引所というしっかりとした市場が存在し、株式の保有者はいつでも株式を証券取引所で売却することが可能です。
売買目的の株式を決算時の時価で評価し直しても特に弊害はないと考えられ、また購入時に対して決算時点でどれくらい損益が既に発生しているのかという情報は利害関係者にとって有用な情報になるため、このような取り扱いになっているのです。

対して、債券の場合はそのようなわけにはいきません。


支払われる利息を獲得することが目的である債券については、売却することが前提とはされておらず満期まで保有され続けるためです。そのため、債券については株式のように決算において評価替えはなされず、購入時の金額のままで計上され続けることが利害関係者に有用な情報を提供できると考えられています。

会計情報を提供するだけでは意味がありません。



その情報が利用者である利害関係者に有効に利用されて初めて意味を持ちます。

会計基準が改正されれば経理の仕方が変わったり、過去の会計情報と比較しにくくなったりもしますが、会計情報の改正は利害関係者により有用な情報を提供出来るように努力しているという証なのです。